かみなり

雷がなっている。
ひさびさの
かみなり。
そういえば、
このしばらくの間、
高いビルの上にばかりいた。
雨の音も届かない。
雷の通り過ぎたのも
届かない。
春が来たのも
教えてはくれない場所。
雷の音は、
ひさしぶり。
はじめは、
肌の奥にひびく重低音が
なんだか心地よかったけど、
雷が近づいて、大きくなって、
なんだか
こわかった。
遠い記憶、
前に見た雷の光景は
土砂降り雨、
真っ暗な空、
街頭の明かりの乱反射、
心臓にひびく重低音。
窓を全開にして
ずっと眺めていた。
なんだか
わくわくした。
。。
今日も
きっと
雷は雷。
。。
どうして今日は
こわかったんだろう。
。。
なにが
こわいんだろう。。